Three to Four

毒にも薬にもならない文字の羅列

風花雪月に対する不安(と期待)

 いよいよ今月末にファイアーエムブレムシリーズの最新作、風花雪月がNintendo Switch専用タイトルとして発売される。コンソール作品としては前作Echoesから約2年と半年、もっといえばリメイクではなく完全新作としてはif以来の約4年。さらに据え置き作品としては暁の女神以来で12年ぶり。そしてなんといっても、シリーズ初のHD作品だ。つまり風花雪月は単なるシリーズ最新作ではなく、多くの期待がのしかかったタイトルということになる。

 私自身も、約2年前にファイアーエムブレムDirectにて存在が明らかにされたときから、とてつもないほどに期待をして、もう2週間後に迫った発売日を待ち望んでいたわけだけども、残念なことにその期待は100%のポジティブからなるものではない。期待半分、不安半分というやつだ。いや、もしかしたら不安の方が大きいような気もする。というわけで、発売日前にしか持ちうることのできない不安をこの場に晒しておきたいと思う。プレイした後に杞憂で良かったと思えたらいいなと願いながら。

 まず何が不安なのかという話だが、これは簡潔にいってストーリーだ。正直シミュレーションRPGとしてのゲーム部分についてはそんなに不安はない。そしてこの思考は完全に完全新作としての前作、ifの出来に起因している。

 以下ifへの文句。流し読んでください。ポケモンをパクった2バージョン商法。白夜王国暗夜王国ともにボリューミーなストーリーがあると言っておきながら似たり寄ったりなストーリーライン。後日DLCにて配信される第3のルートを買えと言わんばかりにすっきりしないシナリオ。その第3のルートも、プレイヤーが感動すると思っているのか、唐突にキャラクターを死なせる。これは白夜王国でも暗夜王国でもそうで、プレイヤーがそのキャラクターに愛着を抱く前にストーリー上で死なせる。さながらFF15のルナフレーナだ。配役を変えただけのように必ず兄をかばって死ぬ両国の妹。シリーズ復活の立役者である覚醒と違い、ストーリー上まったくもってなんの必要性もない子世代。その子世代を出すために適当に出てくる異界設定。そもそもそんなペラペラのシナリオのくせに発売前に有名漫画家にストーリーを書いてもらったとか宣伝していた。驚くべきことだ。発売後にストーリーが案の定叩かれて、その漫画家がSNSにて「書いたのはプロットだけ」と言い訳していたのは本当にくだらない。主人公の武器が私が今までプレイしてきたRPGの中でも頭8つほどとびぬけてダサいチェーンソー。イベントで武器が覚醒するのだが、そのシーンは爆笑必至。ちゃんと刃が回る。主人公を溺愛し、彼(彼女)のためならなんだってすると宣うくせに、いざ敵に回ると「お父様には逆らえないから…」といい、普通に攻撃してくる姉。口を開けばあたりかまわず下劣な下ネタばかりなホモキャラ。第一王子直属の部下のくせに殺戮に快楽を覚える異常者。主人公との再会時には忘れられているくせに親友アピールのうざい騎兵。以上のように全体的にキャラ付けが非常に適当で、記号的。このようにifに対する文句は腐るほどある。これが新作風花雪月にも受け継がれていないという可能性は決してゼロではないのだ。

 もちろん、期待できる部分もある。ifにも良いなと思えたキャラクターもあるし、外伝のリメイク作品であるEchoesはリメイクによって肉付けされたシナリオやキャラクターのテキストも非常に良かった。特に、Echoesの開発チームはサブチームのようだが、あのライターが参加するだけで新作のテキストに対する不安はほぼなくなるくらいだ。

 とにかくifのテキスト周りは当時もひたすらに叩かれた部分なので、スタッフも反省しているとは願いたい。怖いのはifも発売前までは、トレーラーも非常に出来が良く、過去最高の出来なのではといわれていたということだ。前評判が良ければ良いほど、揺り戻しが恐ろしい。

 風花雪月は、海外タイトルではThree Housesであるように三国志モチーフとなっていて、アドラステア帝国、ファーガス神聖王国、レスター諸侯同盟の3つの勢力間の戦争がストーリーのメインであると予想できる。どうやら最初に選んだクラス(国)によってルートが分岐するようだが、選んだ国に協力するのか、それとも敵対し暴走を食い止めるのか、ここが謎。トレーラーなどでは敵対しているシーンがあるが、あれが選ばなかった国と敵対しているシーンなのかもしれない。しかしそうなった場合、学園パートでは選ばなかった学級ともそこそこの交流がないと成り立たなくなる。恩師に剣を向けるというニュアンスのセリフがあるからだ。ただ選ばなかった他2学級がその周において空気というのはさすがにないとも思えるので、やはりゲストユニット的に学園パートでも絡んでくるのだろうか。

 とにもかくにも発売間近。座して待とう。最後に2つだけお願いだから、異界とシナリオ的に何の必要性もない子世代だけはやめてくれ。

今のシリーズ作にはないファイアーエムブレムらしさの光る「ヴェスタリアサーガ」他。 Gaming #1

ヴェスタリアサーガ

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 ついにファイアーエムブレム新作が今月に発売するけど、なんとかそれまでにクリアしようと、公開から長い間積んでいたヴェスタリアサーガに手をつけた。

 あまりこういうことは言いたくはないが、最近のファイアーエムブレムシリーズではまったく見れなくなったガチガチの戦記物シナリオにとてもワクワクして、ゲーム性も楽しいのだけど、このシナリオの先を見たいというモチベーションでプレイしていてとてもたのしい。もともと難易度が高いとは言われていたヴェスタリアサーガだけど、本当に難しくてやりがいがある。また章自体がとてもボリューミーで、まだまだ序盤なのにこの物量なのかと驚く。まだ5章なんだよな。ちょっと風花雪月までに終わるか不安だけど、引き続きプレイしていく。

 

Detroit: Become Human

 PSPLUSのフリープレイに来る直前にセールで購入していたデトロイトも少しづつやってる。わりと以前からプレイしたいタイトルであったし、評価も高かったので期待していた。が、自分で思っていた以上にQTEが嫌いみたいで、やや飽きが出てきている。実写並みに綺麗でリアルに忠実なグラフィックは確かにすごいと思うが、だからといってコントローラのボタンやら、画面に表示されたものをただ入力する作業がたのしくなるわけではない。モチベーションが最後まで続くかは不安。

 

Cytus2

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 おそらく配信当時に買ってから一切やっていなかったCytus2もプレイし始めた。無印と基本的な操作はほぼ同じだが、UIやら楽曲やらは一新され、またソーシャルゲームのようにシナリオも存在する。メインのリズムゲーム部分も相変わらず面白いのだが、このシナリオが個人的にはとても刺さっている。(今のところ)SNS上で様々なキャラクターや匿名のモブの書き込みから、少しづつストーリーラインのわかってくるテリングで、VA-11 Hall-Aの掲示板要素もとても好きだった身からすれば、たまらないというものだ。正直リズムゲーは得意とはいえないので、どこまでやれるかしら。

 

スーパーマリオメーカー 2

 カタログチケットをはじめて使い、マリメ2も購入。まだクリエイト部分はミリも触っていなくて、とっつきやすそうなオンラインの「みんなでバトル」を数時間プレイしただけ。これは2からの新要素のひとつで、世界のユーザーの作ったコースをオンライン上の最大4人で誰が一番早くクリアできるか競争するモード。私はあまりマリオ(というか横スク2Dプラットフォーム)が得意ではないけど、それでもかなり楽しめている。難点は、アップロードされているコースからおそらくランダムに選ばれるので、結構競争するにはどうなの?というコースに当たったりもすること。それとマリオという間口の広さのせいか、かなり回線の重いユーザーがいることだ。狭い足場を飛び移っているときに重いラグが発生するとほぼ確実に落ちるし、まともにゲームにならないので、頼むから有線で参加してほしいところである。

 このゲームのメインコンテンツであろうコースクリエイトと、オンラインにアップロードされた数多のコースへの挑戦はまとまった時間ができたときにやっていきたい。とはいえFEが出てしまうまでがリミットみたいなところはある。先ほど見た記事で、風花雪月のプレイ時間が「3ルートで200時間はできるよ!」的なニュアンスのことが書かれていて、驚愕すると同時に、マジで発売するとしばらく他のことが手につかなくなるなとやや憂鬱な気分になるのだった。

19/05-06の音楽

 先月の末にTSUTAYAディスカスというサービスに物は試しにと加入した。ようは宅配レンタル。このひと月は初月無料のお試し期間だったので、準新作と旧作しか借りれなかったのだけど、それでも十分、いや十二分に欲しかった音源を増やせた。非常に便利なサービスだと思う。なんといっても渋谷くらいまでいかないとないような盤を宅配で借りれるのだから。

 2枚ずつ自宅のポストに届き、返す時は適当なポストに入れるだけ。日曜日とか外に出たくない出不精からか、ポストに行くのすら渋ってたので無駄なラグがあったけど、この1か月でなんと18枚も借りることができた。日曜にちゃんと外出すれば20枚も余裕だろう。となれば、仮にこのサービスに1年加入するとした場合、年に240枚もライブラリを増やせる計算になる…。素晴らしいな。

 普通に購入するCDも考慮したら、もう聴く音楽に困らないねこれは。問題はそんなに新しい曲を聴く時間がないということ。

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  ということで、5-6月は気になっていたハンブレッダーズ、MatryoshkaのVoであるCaluの参加するAnoiceやRiLF、kolme名義初のアルバムや、NECO ASOBIなどを主に聴いた。

 まだちゃんと新譜をチェックしてはいないが、とりあえず、来月は駒形友梨の2ndミニアルバムとドールズフロントラインのOST、あとsora tob sakanaのメジャー2ndシングルがリリースされる予定。今から楽しみ。

 

 今月(と先月)聴いた曲の中からひとつオススメを選ぶならこれ。

 

無償石

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 長かった…。40000ジュエル(150連分以上)の石を残し田中4凸完了、TSV3人コンプ。いくつかソシャゲはやってきたけれど、ここまで、天井分までの無償石を貯めたのは初めて。もちろん貯めるつもりで貯めていたけど、特に回したいガシャも少なく、あったとしても早期に引けていたので運が良かった。

 せっかくゲーミングスマホも買ったし余った石で周年イベを走ってもいいけど、残念ながらそこまで暇じゃないのでまた何かに向けて貯蓄しましょうか。とはいえ琴葉以外の担当は3枚目も終わっているので特に目当てもないのよなぁ。

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 やっぱり(触媒)願掛けは大事。

WWシリーズ

 

  人間とは何かを問い続けた、真賀田四季サーガで最も未来の物語、Wシリーズが完結したのもついこの間。明らかに続編と推測できるWWシリーズなんて名前の新シリーズの1作目、「それでもデミアンは一人なのか?」が、ついに刊行された。

 見ての通り表紙のデザインは百年シリーズを連想させてくる。Wシリーズで百年シリーズのいわゆるネタバラシはされたが、まだまだ未解決というか、宙ぶらりんのままの事象が多く残っていたので、それについてやるのかな、しかしシリーズ名を変えるということは当然主要人物や時代や舞台が変わるのだろう、なんて想像していた。個人的には、Wシリーズは最終的にハギリ博士とウグイの物語だったのだなと納得したので、別にWシリーズが多くの不完全燃焼な謎を残したまま終わったことに不満はなかったし、ぶっちゃけ謎は謎のままで終わっても構わなかった。それくらいWシリーズは綺麗な完結を迎えていたように思える。(そもそも百年シリーズよりも未来の世界が語られるなんて思いもしなかったわけだから。)

 が、読んでみてどうだ。(うーん、これはネタバレじゃないよね。読めばすぐわかるし、まったく叙述トリックめいてもいないし。)Wシリーズがあって、これがWWシリーズなんだから、Wシリーズより未来の物語で、主要人物とかが変わるのかなぁ……なんてものではない! 確かに主要人物は変わったかもしれない。名前だけな!w もはやWシリーズ11作目といってもよいのではないか。

 今後はどうかわからないが、表紙から予想できた通りバリバリ百年シリーズと絡んでくる。こうなってくると初読時まるで意味のわからなかった「赤目姫の潮解」をじっくり再読したくなる。

 最近のライトノベルはまるでわからないけど、ライトノベルジュブナイルと呼ばれていた時代において、私にとってのジュブナイルはやはりこういうテイストであったので、いわゆるなろう系を嗜む時代の読者が森博嗣を読んでどう感じるのかはなかなか気になる問題である。過去の作品を読んだことが前提とした話なので、「WWシリーズは始まったばかりだからここからついておいでよ」とは口が裂けてもいえないけれど、(歴として)若い読者と新鮮な感想を語り合いたいとも思う。

 そんなわけでシリーズ2作目は、10月に「神はいつ問われるのか?」が刊行予定。今から楽しみ。