Three to Four

毒にも薬にもならない文字の羅列

2024年の1月から3月に読んだ本

さて早いもので今年も1/4が終わった。悲しいことに去年ぶんのやったゲームとか、見たアニメ映画とかについてまだまとめる時間が取れていない。それらはそのうちやるとして、とりあえずは今年3月までに読んだ本に触れる。

 

物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国(黒川祐次)

東欧の大国ウクライナの歴史と変遷についてよくまとめられた一冊。年を跨いで読んでいた。世界史の授業は担任持ちだった為、すべて睡眠に費やしていたおかげで、ウクライナについてほぼほぼ無知であったが、本書を通じてその一端を知れた気がする。まぁ地政学上ある程度察することはできていたが、その歴史はあまりにも困難が付きまとっていて、ソ連からの独立がどれだけの悲願であったかが伺い知れる。

 

三体0 球状閃電(劉慈欣)

三体0といいながら三体三部作とは完全に独立した作品。前日譚ですらなく、三部作とは矛盾点も多い。どうやら0としているのは国内の商業的な理由で、本国ではそういうわけではないらしい。とはいえ、三体”らしさ”は健在で、ロスを埋めるにはちょうどよい。

 

時をかける少女筒井康隆

なんだかんだ読んでなかったなーと手を付けた。中身は中短編集で、表題作もコンパクト。アニメーション映画で有名な原作だが、そこそこ内容忘れていて差異を楽しむことはできなかった。古めの作品なので文章はやや現代的でないものの文体は軽く、ジュブナイルというか、青い鳥文庫的なターゲット層なんだろう。コメディタッチなバカSF的な短編もあり、映画「MEMORIES」を思い出しながら読んでいた。

 

台湾 四百年の歴史と展望(伊藤潔)

ウクライナに続き、安全保障上の問題を抱え続けている台湾についても本書で知れた。国民党による白色テロ時代については、ゲーム「返校 Detention」でも垣間見ることはできたが、あまりにも非人道的な所業のアレコレに頭を抱えそうになった。本書が執筆された段階では、いまだ国民党が政権を取っていたようだが、現在の台湾政権は民進党。これが意味することの重さを突き付けられた気がする。というか、現在これだけ安全保障上の問題を抱えているのは、中華民国の内乱が発端だと思うとそもそも台湾に住んでいた原住民があまりにも不憫だ。日本の撤退タイミングもだいぶ悪かったのだが。

 

紙の動物園(ケン・リュウ

読む前にイメージしていたよりよっぽど情緒的な作風で驚いた。中華SFはやっぱり劉慈欣のイメージが強いからかな。まぁケン・リュウは中国系アメリカ人だから、厳密には中華SFではないだろうけど、ルーツは非常に感じられる。本書も白色テロ時代をテーマにしていた短編が入っており、いろいろ台湾について思いを馳せる冬だった。

 

走馬灯のセトリは考えておいて(柴田勝家

いろいろ積読にはしているけど、読了は本作がはじめましての柴田勝家。ネーミングからは想像もつかないくらい学術的な視点からSFを書く作家だなぁと。少し小難しくて苦手な印象もあったけど、本書は短編集でもあるのでとっつきやすく、作家性も受け止めやすかった。デビュー作である「ニルヤの島」も積んでいるので近いうちに読みたい。

 

Fate/strange Fake 1(成田良悟

気付いたら既刊が8巻まで出ていたFake。一応全巻買ってデジタルストレージの肥やしとしているのだけど、いい加減読まねばなということで、1から再読。なんとか今年中に追いつきたい。モチベが湧いたのはFate/Samurai Remnantの出来のおかげだが、モチベが下がっていたのはFate/Grand Orderのシナリオがアレだったから。てかテキストボックスの動作、もう少しストレスフリーにならないものかね、アレ。

 

おわりに

3か月で7冊と、個人的には良いペース。このまま年末までいきたい。三体とかの重量級を読んだ後にライトノベルに手を出すと、読み進めるスピードが段違いで、文字数単位で比較したらどれだけの差があるんだろうかと考える。昔は紙面にびっしり文字があればあるだけオトクという思想を持っていたこともあったなぁ。

ちなみにゲームは現在オクトパストラベラー2に手をつけている。そろそろ終わりそうな進捗。