Three to Four

毒にも薬にもならない文字の羅列

2024年1月から3月間のゲーム事情

一応プレイしたタイトルという名目だが、クリアした段階でカウントしているので、この期間に遊んだけど載せていないものもある。あしからず。

 

1月

Fate/Samurai Remnant

コンソール向けの完全新作Fateという意味では、EXTRAぶりとなるタイトル。日本の歴史ゲーメーカーといえば右に出るものなしのコーエーテクモが、江戸を舞台にした亜種聖杯戦争を描く。

2023年の発売日からこつこつプレイしていたが、全エンドを回収してプレイに区切りがついたのは正月入ってからなので、1月でカウントさせてもらった。

今やスマホゲーム市場では知らない者はいないFateシリーズだが、買い切りのコンソール市場ではいまいちな立ち位置だったりする。そもそも格ゲーを除くと、「Fate/EXTRA」、「Fate/EXTELLA」くらいしか出ていなく、そのどちらもゲームとして見るとちょっと微妙な出来。それだけに今作はコーエーテクモのアクションと、ノウハウはあるとこが開発なのでかなり期待していた。

結論からいうとなかなか良かったのではないか。相変わらずコーエーテクモは点数をつけるとなると80点から85点くらいのゲームを出すなぁって印象なんだけど、しっかりとタイプムーンFateしていたと思うし、無双から進化していったアクションゲームの部分も爽快感と緊張感が適度なバランスでストレスは少なくなっていたように感じた。何よりキャラクターたちが好きになれたという点はキャラゲーにおいてはとても重要で、EXTELLAではなし得なかったことだ。もちろん個人差はある。EXTELLA好きの人を否定するつもりはないが。

また、改めてここだけは言及させてもらうが、相変わらずコーエーテクモのテキストライターはレベルが高い。今回はファイアーエムブレム風花雪月のチームが担当したとの話(以下リンクより)だが、その実力は存分に発揮されているように思う。本ゲームの江戸らしさを、テキストが補強することに成功していた。あんまりいいたかないが、近年のタイプムーンお抱えライター陣はあんまり打率が良くないので、仮にコーエーテクモのライター陣がしっかり参加していなければ、このゲームに対する印象も大きく変わっていた気がする。

www.gamecity.ne.jp

シーズンパスも購入しているので、今年いっぱいは楽しめそう。本記事を書いている5月段階ではすでに第2弾までの配信がされていて、残るは第3弾のみ。1弾2弾はそれぞれ数時間程度のボリュームと、あくまで本編中のアナザーストーリーみたいなていなので、それほどシリアスにはなりきれないのだが、「日本を舞台に日本のサーヴァントだらけ」という異色の舞台に映えるドリームマッチで好感触。

 

ファイアーエムブレム エンゲージ 邪竜の章

ファイアーエムブレムシリーズ最新作のシーズンパスの目玉、完全新規の追加ストーリーと完全新規のマップ。前作の風花雪月における煤闇の章とほぼ同じような立ち位置で、だいたい10時間くらいのプレイボリューム。

ifもそうだったけど、私のゲーム体験はだいぶシナリオを重視する傾向があって、その部分がおざなりだとあんまりモチベーションが湧いてこない。エンゲージも、ゲームシステムは歯ごたえがあってやりごたえがあるのに2周目をやる気が微塵もない。もったいないことだ。そうした前提があるので、追加コンテンツとして用意された邪竜の章も、なかなかやる気が湧かず年を跨ぐほどの放置をしてしまった。

追加ストーリーといっても、あくまで本編の設定の上での追加ストーリーなので、本編のシナリオに抱いた想いは払拭できずに遊んでしまった。ので少しネガティブ。本編に比べ難しめの難易度設定やギミック的なマップ、プレイすることで本編の遊びが拡張されたりするのは、DLCの形態としては評価できるし、今後のシリーズでもぜひ続けてほしいのだけど……。ISさんはとりあえず「異界」やめない?

 

ウーマンコミュニケーション

会話文の中に意図せず下ネタが入ってしまうことって、きっとそんなに少なくない。けれど、それを意識することなんてふつうはないわけで。そしてこのゲームはそんな日本語の奥深さを教えてくれる。手触りとしては、「ダンガンロンパ」と「Doki Doki Literature Club!」を合わせたようなゲーム体験。

有り体にいってしまえばバカゲーなんだけど、ただのバカゲーで終わらせないしっかりとしたストーリーがあって感心してしまった。今後街なかで予期せぬ性的ワードを見つけたとき、プレイする前には絶対に浮かばなかった感情が出てくる呪いをかけられたのだった。

 

2月

A Space For The Unbound 心に咲く花

『高校生活の終わりと共に、ぼくらの世界も終わるんだ。』

90年代後半のインドネシアを舞台にしたADVゲーム。美麗なピクセルアートで描かれた、滞在歴のある人からすればかなりの再現度らしいインドネシアの町並み。彼女であるラヤの姿を追うごとに終わりへと近付いていく世界。

青春の瑞々しさと切なさを、ファンタジーで味付けした出来上がり。サウンドトラックもいい調味料になっていた。進行で差し込まれるミニゲームは正直退屈で陳腐に感じがち。なのでストーリーを楽しむのが一番のメインかな。あと、道端の猫に名前をつけられます。マル。

 

鳥類弁護士の事件簿

一言でいえば動物版逆転裁判。革命の足音が聞こえている19世紀のフランスを舞台に、鳥類弁護士の活躍を描く。逆転裁判オマージュな要素も豊富で、シリーズファンならニヤリとできるところも多い。もともとは2015年リリースのわりと古めのゲームだが、邦訳が出たのが2022年とかなりのタイムラグがあった。そのぶん翻訳の質は良く、言語が変わると成り立たなくなるはずの言葉遊びなども、しっかり日本語でひっかけていたりする。

逆転裁判はなんだかんだ一本道のゲームで、証拠や証言が揃わないと話が進まないし、ストーリーの分岐などは特にない。そうしたオマージュもとに対して、本作はなかなか挑戦的な設計をしている。たとえ証拠や証言が揃わなくとも裁判の期日がくれば裁判は始まるし、プレイヤーの選択によって依頼人は無罪にも有罪にもなる。最終話以外ではそれほど大きな分岐とはならないが、弁護士としての自らの選択を重く感じることはできる。これは良いところでもあるのだが、悪いところでもあって、証拠証言集めについてはかなり初見殺しの装いがある。後半なんかかなりひどくて、推理すればどうこうなるものですらなく、総当たりしてメモを取り効率的にできるようスケジュールを組む以外とれる手段がないレベル。オマージュもとが親切設計だけに、余計意地悪に感じてしまった。

本作はSwitch版リリース時の2022年に一度プレイしているのだが、そのときは1つだけエンディングを見て満足してしまい、全エンドを回収せずに積んでしまった。今年に入り回収していなかったエンドをすべて見たので、こうして今年のカウントにしている。

 

プリコラージュ -IDOLIZED-

行方不明になったあるアイドルの消息を、SNSなどインターネットを駆使して突き止めるといった感じのゲーム。イメージ「Replica」とかと近いかな。

わりかし期待していたんだけど、少し肩透かしだった。いかんせんボリュームが少なかった。1時間強くらい? インターネット上の情報がもう少し量があって厚みがあれば印象も変わったかも。こうした情報発掘系は発掘できるものが多ければ多いだけ楽しいからね。とはいえ個人開発なので、あまり無理もいえない。

 

Coffee Talk Episode 2: Hibiscus & Butterfly

人気インディーADVゲーム「Coffee Talk」の続編。まさか「N1RV Ann-A」より先に出るとはな。

実は前作をプレイしたときは、「Va11 Hall-A」オマージュという意識が強く、ボリュームやシナリオの方向性としての差異にばかり目がいってしまっていたが、「2」をやってようやく、そのテーマ性について考えが及んだかもしれない。開発元がインドネシアであるというバックボーンから、その多民族性や多様性についてが語りたかったことなのかなと。「Va11 Hall-A」も、ベネズエラという環境は作中のものと似て、生死がひじょうに身近であるとインタビューで読んだ記憶がある。こうしたADVは作品を通して制作者の価値観を表現することが多く、表面的なシナリオをなぞるだけでなく、その背景にまで目を向ける必要性というか意義みたいなものが存在するなと改めて思えた。

かといって、ゲーム性という観点では前作とあまり代わり映えはなく、茶葉の種類が増えてメニューのバリエーションが変わったくらい。よくいえば、前作からの空気感とギャップがないということなので、シーズン2みたいな気持ちでプレイするとちょうどよいかもしれない。前作の延長線上の2という感じがあるので、前作履修はマストになってくると思う。

 

Ever17 -the out of infinity-

名作と名高いKIDのADVゲーム。PC版をDMMで買ったのはもう4、5年前。その後販売停止になってしまったようなので、なんとか滑り込みで買えたことは運がよかったのだけど、そこから長い間積んでしまった。年末くらいから重い腰を上げて、2月末にようやく最後までプレイし終えた。

伝説的傑作にしてネタバレ完全NGと名高い本作を、一切のネタバレなしでプレイできたのはかなり運が良かったと思う。とはいえ自分の中で傑作に位置したかというと微妙なところで、その理由と、ここまで時間をかけた原因は明確で、あまりにも滑り倒すギャグパートにある。感受性は人それぞれなので受け入れられた人には申し訳ないが、苦痛を感じるレベルで退屈だった。このゲームの面白い部分と釣り合っているかというのも微妙なところで、個人的にはそれを打ち消して余りあるマイナス部分であったように感じる。とはいえ、最終ルートの勢いとそのギミックは、予想していなかったのもあってとても良かった。FGOのCCCコラボ実装時、本作との舞台設定の関連性が揶揄されていた記憶があるが、プレイし終わってみると、言うほどか?って感じ。

 

3月

何もなし

遊んでいたものはいくつもあるけど、残念ながら3月中に終わらなかった。なので4月ぶんにまとめることにする。