Three to Four

毒にも薬にもならない文字の羅列

2021年総決算“ゲーム編”

おそらく公開は2022年になっているのでは...。

ということで2021年も終わり。本来ならばもっと余裕をもって1年を振り返るところだけれども、年末だけにいろいろあったし、がっつりまとめることは不可能なので簡単にいこう。

今回は「ゲーム編」ということで、「アニメ編」「映画編」「ドラマ編」とモチベがあれば続くつもり。

 

 

0.Nintendo Switch OLED

Switchが発売されたのも2017年の3月ということで、なんだかんだもう4年半(あと数ヶ月で5年)経つ。過去の任天堂ハードに比べたらずーっと勢いのあるハードなのであんまりそんな感じがしないのだが、4年半は結構な期間で、がっつりしたリニューアルモデルがずっと待たれていた。そして2021年に出た新たなSwitchは、内部的な性能的には一切変わりなく、有機ELディスプレイを引っさげてやってきた。賛否あるだろうけども、世界的な半導体不足の流れを見るに、今SoCをアップグレードしたニューモデルを出すのはあまりに愚策なので、とても合理的なモデルかなと思っている。

正直買うかどうかはずっと迷っていたのだけど、手持ちのSwitchは2017年3月から稼働している初期型なので、これを機に環境をリニューアルすることにした。いまいち稼働率も落ちていたのでこれでモチベを上げて積みゲーに挑もうという魂胆もあった。

結論からいって、OLEDモデルは今年のベストバイかもしれないくらいには満足度が高い。もともと携帯モードのほうが稼働割合高かったので、新しいディスプレイの恩恵を十全に受けれている。レビュー動画などではいまいち伝わらないと思うが、実際に持ってみると、比べるまでもなくその違いを感じ取れる。ウリのOLEDを堪能したくて、年末に相性の良さそうな「大逆転裁判」を買ってプレイしているのだけれど、色味の美しさでときたま手が止まったりする。もう過去モデルのディスプレイに戻ることはできなくなってしまった。この感触はKindle Oasisを買ったときに近いものがあって、やはりOLEDモデルはNintendo Switchファミリーのハイエンドなんだなと思わせてくれる。チップの性能がまったく変わらなかったのは少し残念ではあるが、それを忘れさせてくれるくらいには、Switch OLEDは魅力的な新ハードだった。

1.ゼルダ無双 厄災の黙示録

無双というジャンルはよく他社作品とのコラボをしているが、近年はただのコラボに収まらないものが出てきているように思う。「厄災」もそのひとつで、「ブレスオブザワイルド」からそのまま持ってきたようなグラフィックと、本編の100年前を描くというコラボにしてはあまりに密接なシナリオで、過去に発売した「ゼルダ無双」との明確な違いを感じさせられた。

ネタバレだが、結果的にBotWの100年前と宣伝されたシナリオは、厳密に過去編というわけではなく、とあるキャラクターの有無により正史(BotW本編)と分かたれたパラレルなストーリーだったわけで、ここらへんには(宣伝の仕方的に)少し思うところもあるわけなんだが、ハッピーなエンディングを見せてもらって大半のファンは満足したことだろう。それだけに、約束されたバッドエンドを突き進んだ「イーラ」がより異色に感じられる。

ゲームシステム部分も突き詰めればいつもの無双であることに変わりはないのだが、BotWで思い入れのあるキャラクターたちが、違和感を感じさせないグラフィックとちゃんとしたモーションで一騎当千するのはやっぱり爽快で、やりこみを抜きにして考えればとても良いゲームだった。逆にいえば、やりこみに関してはいつもの無双で、よほどのアクション好きでない限り飽きが来るのも早い。それでも「厄災」は「ゼルダ無双」に比べたらやりこみの苦痛加減は段違いだったので、開発側の努力は感じることができた。

2.桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~

PS2ぶりの桃鉄。しかも友達の家でしかやったことがないので、体験としての記憶は正直あんまりない。ワンゲームが長いので気軽にできないのが難点。また友情破壊ゲームなので相手も適当に誘うのが憚れる。年末等長期休みには合いそうなものだけれど、少なくとも2021-2022はやる機会がなさそうで、Switchのこやしとなっている。

3.Orwell: Keeping an Eye On You

テロ容疑をかけられている人物のSNSアカウントやホームページを精査し、その容疑は事実か否かを突き止めていくゲーム。その疑いが事実であるかはともかく、テロ犯として告発するかどうかはプレイヤーに委ねられているところが面白く、ひとによって展開も変わっていきそう。残念ながら1周しかしていないので、そのうち進行のしかたを大きく変えてプレイしようと思っていたら1年が終わってしまった。

4.バディミッション BOND

ルビーパーティーコーエーテクモ)×任天堂のテキストADV、なおかつメインキャラが男だらけということで、乙女ゲームと思われがちだが、その実、少年漫画のように熱い展開でこちらの涙腺を破壊してくる傑作ADV、それが「バディミッション BOND」だ。2021年My GOTYはこれだ!と言い切れるほどの傑作なので、テキストに拒絶反応の出る一部をのぞいて、性別問わず万人にオススメしたい。

だいぶ演出重視のストーリーゲームなので、推理モノとしては物足りない。潜入パートで操作することになる3Dアクション(QTE)もお世辞にも面白いとはいえない。それでもBONDは傑作たり得ている。それはなぜか。答えはとてもシンプルで、上質なテキストから語られるシナリオの面白さに他ならない。この辺のテキストのうまさについては、やはりさすが数々のテキストゲームを出してきたルビーパーティーだけある。

5.千の刃濤、桃花染の皇姫

長い間積み続けてきた「千桃」も重い腰をあげてようやくやりきった。一般的な美少女ゲームと違い、基本1本道で進み、各ヒロインのルートに入るときだけ選択肢の出る構造は、やはり名作「穢翼のユースティア」を彷彿とさせるものがあり、どうしてもその出来を比べざるとえない(といっても「ユースティア」をプレイしたのは遥か前なので、この評価も客観的ではない)。そういった観点からいうと、「千桃」は凡作だったかなと。

和をモチーフにした“皇国”と洋風の“共和国”の対立、文化の差異、テーマは興味深いところもあったが、細かなところで残念に感じた部分も多かった印象。難しいことをいっていることはわかっているが、共和国側のサイドキャラクターを増やすなど、もう少し世界に深みが欲しかった。

6.ピクロスS

気付けばピクロスSシリーズも7まで出ていて、自分の消化速度とリリースペースの差に愕然とするところだが、ようやく「ピクロスS」収録の全問をプレイした。やりはじめると止まらないくせに、なんだかんだ1問数十分かかることもあるので、寝る前にやると寝不足間違いなし。そんなわけなので「2」を買うのに躊躇っている現状。

7.探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.1「仮面幻想殺人事件

懐かしすぎて涙が出そう。ガラケーでやったゲームなんてこれと「歪みの国のアリス」くらいしかないまである。あの「仮面幻想殺人事件」がついに復刻。2時間ほどで終わってしまうが、500円と安価なので懐古目的でおじさんおばさんはみんな買おう。

8.探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.2「海楼館殺人事件

前述した「仮面幻想殺人事件」からはじまる探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第2弾。今作は海上に建てられた“いかにも”な建物での事件で、当然“いかにも”なトリックが使われるので館モノ好きは歓喜な作品。「仮面幻想」はともかく、以降の作品は記憶にないので新鮮で楽しかった。

9.2064: Read Only Memories

2064年という、もうそこまで先ではない未来を舞台にしたADVゲーム。SFの定番テーマである“人間とは何か”をベースに、アンドロイドであるチューリングを相棒として、友人の誘拐という謎に挑むことになる。

特徴的なUIと美麗なドットグラフィックを抜けば、わりとオーソドックスなテキストADVなのだが、サイバーパンクめいた魅力的な世界観と哲学的問答のようなチューリングとの会話は面白い。序盤の生意気な子どものようなチューリングも、コミュニケーションをとっていくうちに変化していく。会話の選択肢は幅があり、温厚な性格をロールプレイすることもできるし、また反対に最低最悪の男を演じることもできる。とはいえ、わざとでなければ選ばないだろう選択肢ばかりで、あえて選ぶにしても心が痛むものだらけ。初回のゲームプレイに限っていえば、そこまでプレイヤーによる差が生まれないだろう。

10.ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者/11.うしろに立つ少女

リメイクとはいえ、ファミコン探偵倶楽部というプロジェクトが動くだなんて誰が予想しただろうか。衝撃的な発表から約2年。ついに発売したリメイク版ファミ探。基本的な進行やシナリオに大きく手を加えることなく、現代の技術でリッチな装いに。これ以上のリメイクがあるのか、というくらい見事なリメイク作品だった。唯一不満があるとすれば、アレンジされたリメイク版のサウンドトラックが現状リリースされていないことだろうか。限定版にFC/SFC版の音源を収録したCDがついてきたことは望外の喜びだったわけだが、せっかくなのでアレンジされた新音源も聴きたい。頼みますよほんと。

立ち絵や背景がぬるぬる動き、セリフはフルボイスと、とてもリッチなADVではあるものの、約4000円という価格をどう見るかってのは微妙なところだと思う。個人的には安すぎると思っているが、プレイ時間が長ければ長いほうがいいという人もいるし、原作に思い入れがなければ高く感じても仕方ないかもしれない。

12.ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

Nintendo Switch Online加入者向けタイトル、「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」にてついに「聖戦の系譜」が配信。「風花雪月」でシリーズが気になった人も多いだろうし、実にグッドなニュース。かくいう自分もWiiUのVCではプレイしなかったので、本作をHD画質でプレイするのは初めて。システムに慣れているからそう思うのかもしれないが、まだまだ全然現役で遊べるタイトルだなぁと改めて思えた。同じくSFCである「紋章の謎」なんかは、結構現代にやるとなると厳しい部分もあるんだけど、「聖戦」はまだまだイケる。FEシリーズは、「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」の特徴である巻き戻し機能との相性が抜群にいいので、これを活用して万人ロプトを倒そう。

13.探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.3「死者の楽園

探偵・癸生川凌介事件譚シリーズ第3弾。今回の舞台は遊園地。予想外のことはあまり起こらず、順当に事件が起こって、順当に解決。個人的には「死者の楽園」はトリックもそこまでで、あんまり印象に残らなかったな。

14.LoveR Kiss

キミキス」や「アマガミ」も含まれるTLSシリーズの系譜、最新作。なんだかんだ「フォトカノ」「レコラヴ」とプレイしてきていて、本作も気になっていたのでセールされていたのに合わせて買った。

メインのヒロインは6人おり、そのうちの2人だけエンディングまでプレイした。稀にテキストにライターの癖を感じることがあって、その部分がやや不満だが、全体的にはまま面白い。一番フューチャーされている写真要素は、まぁ正直面倒に感じることが多くて、そこまで楽しめてはいない。というのも微塵にカメラに詳しくない身のせいなところもある。

15.A Short Hike

とある山に登ることを目的とした、数時間でプレイし尽くせるオープンワールドアクション。軽い気持ちでプレイできて、かつ心温まるようなゲームなので、大作に疲れたときにやるのがぴったりかもしれない。全然大作をやってない時期にプレイしたが、心に残るゲームだった。ローレゾなグラフィックは初見こそ気になるだろうが、直にその“味”に気付くはずだ。

16.ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜

ソフィーのアトリエ」でシリーズから離れて久しかったアトリエシリーズに久しぶりに手をつけた。キャラクターデザインがSNS上でバズリ、世界的にシリーズを広めることとなった転換点ともなる1作。2021年には続編の「2」が発売しているわけだが、今年プレイしたのはあくまでも「1」。

SNS上でさまざまな感想を目にしていて、評判もかなりポジティブなものが多く、それなりに期待もあったんだけども、まぁ率直にいっていまいちだったかなという感想。

どこにでもいるなんてことない少年少女のひと夏の冒険を描いたといえば聞こえはいいが、あまり起伏のない展開にちょっと飽きていた。もともとアトリエシリーズはそこまでシナリオに定評のあるシリーズではないと思っていて、今回もその例に漏れずという印象だった。どちらかというとストーリーそのものよりストーリーテリングに問題があるように見受けられるので、演出の改善等で今後良くなっていく可能性はあるかと。個人的には、「ライザ」に関してはキャラクターが好きになれなかったので、そういうところも合わなかったのかなと思える。

調合もわかりやすいといえばわかりやすいが、反面過去作ほどの自由度というか発展性がないように感じた。アトリエシリーズにおける調合はぶっちゃけ一番のウリなので、もっと突き詰めてほしかった。まぁ調合システムは毎作がらりと変わることがざらなので、「2」はさらに発展して良くなっているかもだが。

現時点では「2」のやる気は皆無。アーランドや黄昏は世界観がわりと魅力的で惹かれたのだが、あくまでもひとつの島だけを描いた「ライザ」で世界観の深さに魅力を感じなかったのはある意味当然かもしれない。

17.月姫 -A piece of blue glass moon-

リメイク発表から13年。誰もが「開発してないだろ」と思っていた「月姫リメイク」が電撃発表されたのが2020年が終わる瞬間。延期の気配も一切なく無事に発売された、月の表側を描いた「月姫 -A piece of blue glass moon-」。もうハチャメチャに面白くて、ここまで面白くていいのだろうかというレベルには最高のエンターテイメントだった。良くも悪くも「FGO」で残念なシナリオを突きつけられていたところだったので、その衝撃はより大きなものとしてこちらの心を打った。

“月の表側”ということでヒロイン2人ぶんのシナリオしか収録されていなかったことは非常に残念ではあるが、“表”だけで40-50時間のボリュームだったわけだから、“裏”が入らなくても仕方ないとちょっと思える。とはいえ残りのヒロインは3(4!)人いるわけで、おそらく“表”以上のボリュームになることは確か。そもそも出るのか? という不安を持ってしまうのは致し方ないこと。ファンのみんなで、13年待つ気持ちで焦らず急かしていこう。

18.ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期

これに関しては自分が悪いのだが、「V3」はネタバレをそこそこ踏んだうえでプレイした。そういった面もあってそこまで素直に楽しめなかった。具体的にいうと1章の犯人あたりか。まぁでも、あれについては踏んでいなくても察せるものだったかもしれない。

過去作と変わらず裁判パートは面白いのだが、捜査(日常?)パートがかなり苦痛で、結構サイドの部分をやらずに駆け抜けてしまった。もう若者ではないので、シリーズ恒例の軽薄というか下品な会話もだいぶつらいものがあった。明らかに制作側の意図したものであることはわかっているのだけれど、それにしても下品すぎる...。

オチについてはわりと好意的に受け止めている。賛否あったことは事前に聞いていたけど、まぁこのシリーズってもともとメタフィクションがテーマだと思うので、あれくらいはやっても不思議はないのではないかなぁ。逆に、人気シリーズが陥りがちな「停滞」だけは絶対にしないという意思を突きつけられたようで、ある種尊敬の念すら抱いた。

19.探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.4「白鷺に紅の羽

シリーズいちとの評判も名高い「白鷺に紅の羽」。癸生川探偵事務所お馴染みの伊綱が、なぜ探偵を志すようになったのかが語られるエピソード。初見では謎だらけだったプロローグが、通してプレイすることでエピローグでもあったことがわかる構成は見事。にしても背負っている過去があまりに重くて悲しすぎる。事前に想像していた5倍くらいの重量で、つらくなってしまった。

20.BLUE REFLECTION

先日発売された「BLUE REFLECTION TIE/帝」が気になり、十全に楽しむために過去作をプレイした。正直、当時フルプライスで買ったらキレててもしょうがないくらいには薄まったゲームで、プレイ時間も少ないし、バトルやイベントもあまりに浅い。コンセプトや音楽、アートデザインがいいだけに惜しいゲームだった。

2021年GOTY

前述の通り今年イチは「バディミッション BOND」。それくらいのめり込んだし、泣いたし、感情をめちゃくちゃにされた。今後も定期的にこうした傑作ADVをプレイしていきたい。任天堂さん! ルビーパーティーに仕事ふって!

え? 月姫? あれはまぁ殿堂入りです...。そもそも“裏”が出ていない以上、単体で評価しちゃダメなやつだと思うんよね...。

2022年について

今思えば2021年はそこまで大作は出てない印象があって、逆に今の時点で既に2022年は爆弾ばかりが埋まっている。待望の「ブレスオブザワイルド続編」、「Splatoon3」、「トライアングルストラテジー」、「ELDEN RING」、「逆コーラップス:パン屋作戦」、「EDEN.schemata();」、「モノクロームメビウス 刻ノ代贖」、ファイアーエムブレムの新作も出るだろうし(希望)、モノリスソフトも出すだろう(希望)。既プレイだが、「魔法使いの夜」のコンソール移植も発表された。当然ここからさらに増えていくわけで、2021年以上にコンスタントにプレイしていかなくてはいけない。というか2021年の積みゲーも死ぬほどあるんだなこれが。つらいところである。